ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

6章:深酒の代償 (2/6)

男子トイレの前に着くと遠慮がちにノックをした。


中からの反応はない。


「…幸一郎君?大丈夫?」


今度は強めにノックをするも反応はない。


「…幸一郎君っ!」


力を込めてノックすると消え入りそうな声で返事があり、ややあってようやく幸一郎君がトイレから出てきた。


「幸一郎君!大丈夫?!」


幸一郎君の顔面は蒼白で充血した目は涙ぐんでいた。


トイレで嘔吐していたのは明確だった。


「…少し……飲み過ぎてしまいました」


「とりあえず席に戻ってお水飲もうよ。行ける?」


黙って頷く幸一郎君は千鳥足で歩くのもままならないようだ。


肩を貸して何とか席まで戻った。


「コウ?!どうしたの?!」


美優さんは幸一郎君を見るなり顔付きが変わった。


そこには普段の余裕は感じられない。


幸一郎君を席に座らせ、お水を飲ませた。


「飲み過ぎてしまってトイレで吐いたみたいなんですよ。幸一郎君もこの状態ですし、帰りましょうか?」


「え、ええ…あっ!樹里っ!!」


鞄を取ろうと離れた瞬間、支えを失った幸一郎君は椅子から崩れ落ちた。


咄嗟に頭を支えようと手を伸ばしたが、重さに耐え兼ねて幸一郎君の下敷きになる形で床に転倒した。


「きゃーっ!!コウ!樹里っ!!」


店内には美優さんの悲鳴と椅子が倒れる音が響き渡った。


26 /147

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

禁猟区 ©著者:ゆえ

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.