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4章:変身
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次の日、昼前に起きた私は洗濯と部屋の掃除に没頭していた。
連休など殆どない為に週1の休みに家事を徹底するのだ。
洗濯物を干し終えるとテーブルの上の携帯が鳴った。
美優さんからだ。
「…もしもし?」
『樹里?夕べはありがとう。みっともないところを見せてしまってごめんなさいね』
「いえ、いいんですよ。お身体はもう大丈夫ですか?」
『あの後、樹里の言う通りにすぐに寝たからもうすっかり元気よ。そうそう、明日なんだけど、予約お願い出来るかしら?』
「明日ですね…ちょっと待ってて下さい」
鞄から手帳を取り出すと予約を確認した。
feelは火曜定休な為に今日はやっていない。
今みたく美優さんからいつ予約が入っても大丈夫なように手帳に予約状況を書き留めているのだ。
「お待たせしました。午前中か夕方の5時だったらお取り出来ますよ。トリートメントとヘアセットでいいですか?」
『ああ、明日は私じゃないの。コウをお願いするわ』
「幸一郎君ですか?その気になってくれたんですね」
『そうなのよ。夕べ帰ってきた時に髪の毛の事を指摘したら素直に行くって言ってくれたのよ。だから気が変わらないうちにって思って』
「では夕方の時間をお取りしたほうがいいですよね?カラーとカットでよろしいですか?」
『そうね。コウの髪型なんだけど、襟足を長めにしてほしいの。前髪は少し長めで横に流す感じでね』
「要するにウルフカットにすればいいんですね?わかりました。一応、幸一郎君の意見も聞いてみますがそのようにしますね」
『よろしくね。じゃあ明日夕方5時に行かせるわね』
「お待ちしております」
電話を切り、ベッドに腰をかけた。
平静を装ったものの、内心は心臓が縮み上がりそうだったのだ。
出不精の幸一郎君がわざわざ来てくれるんだから絶対に失敗は許されない。
気に入ってくれなかったらどうしようか…
久々のプレッシャーに悩まされながら時間は刻一刻と過ぎていった。
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