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3章:再会 (4/4)

家までの帰り道、無言の幸一郎君を追い掛けるようにひたすら歩いた。


「…幸一郎君、随分と変わったね。誰だかわからなかったよ」


「昔はデブだったですもんね」


「いや…そういうつもりじゃ…」


「……」


「……」


気まずさが全身を襲う。


こんな事なら余計な事を言うべきではなかったと心から後悔していると幸一郎君が口を開いた。


「…昔、美容院でいつもアンタから終わった後にミルキーを貰ってたのを覚えてます」


「え…ああっ!ミルキーね。幸一郎君、よく覚えてたね。何だか嬉しいな♪」


確かにいつも終わった後にミルキーをあげていた。


たった一粒のミルキーに満面の笑顔を浮かべる幸一郎君が可愛いと感じていたのだ。


そういえば…


「ねぇ、幸一郎君?ちょっと髪の毛長過ぎじゃない?邪魔じゃないの?」


「…邪魔ですよ」


幸一郎君の髪の毛は全体的に長く、しかも量が多い為に重たく見え、前髪に関しては目元が完全に隠れていた。


「幸一郎君、折角綺麗な顔立ちしてるんだからちゃんと切ったほうがいいと思うな。勿体ないよ」


幸一郎君は急に立ち止まると私を見つめた。


その表情からは何も感じ取る事が出来ずに激しく混乱した。


…何か癇に障る事を言ったかな?


「…アンタのところに行けばいいんですか?」


「えっ、うん。幸一郎君さえ良ければね」


予想外の返事に拍子抜けしたものの、怒らせたわけではないとわかり胸を撫で下ろし再び歩き始めた。


ようやく家に到着すると、幸一郎君にお礼を言い、エントランスに入りオートロックを解除した。


「来たらカッコよくしてあげるよ♪それじゃ、おやすみ!」


返事も聞かず逃げるように中に入った。


部屋に入り、電気を点けた瞬間、全身を言い知れない疲れが襲った。


こんなに気まずかったのは久しぶり。


幸一郎君…昔は愛嬌があって可愛かったのに。


照れると口をへの字にするところとか大好きだったな。


昔の幸一郎君の事を思い出しながら化粧を落とすとベッドに入り、眠りに就いた。


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禁猟区 ©著者:ゆえ

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