7章:自由な生活 (52/54)

刑事さんは我が家の事をよく知っていた。


『ああ、あのお宅ね。何度か通報が来て駆けつけたんだけど結局はご両親が許すからこっちも対処のしようがなくてねぇ。通報してくるわりにはご両親が息子さんと離れる気がないから、うちとしても困ってるんですよ。ご近所の方からの苦情も出てますし。』


呆れた表情で刑事さんはそう言う。


要は両親が兄を突き放す意志を持たないといけないわけだ。


『人情沙汰になってからでは遅いのであなたからもご両親に話をしてみて下さい』


そう言われ、話は終わった。



警察署を出て、実家に電話をした。