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4章:声
真っ白い箱の中。
中央には、ベッドともソファーともとれるような白く少し硬い長方形の台。
窓や扉などは無い、ただただ白い空間。
そこに私は一人、真っ白いワンピースを着て佇んでいる。
直感でいうなれば、ここは脆弱な世界だろう。
そう思う私は、言葉も発することなく、ただ息を潜めて、正方形の白い台の横に膝を抱えて蹲る。
耳を澄ませると、かすかに時計の秒針の音が鼓膜を刺激していることに気付く。
次の瞬間、ふわっと風が吹きぬけ
「ハルカ。」
という声だけが聞こえる。
優しい声で、名前を呼ばないで。
泣きながら夢から覚めて、数時間の睡眠を憾む。
そんな夢を、もう何度も見ては、眠れない夜を過ごしているのだ。
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