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4章:潤の素性
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4章:潤の素性
潤が帰った後、また新たに指名客が来た為サッと化粧直しをして席に着いた。
「咲ちゃーん
」
私「坂井さんお疲れ様ー」
坂井は私が席に着くなり甘えた声を出してきた。
この客は私の一番の太客で私の出勤日全てに来てくれて月に150万遣うお得意様だ。
42歳、独身。
私指名で店に通うようになって一年半が経つ。
ハゲていて頭頂部の髪は一切無く、耳の横にわずかに残っている髪の毛が痛々しい。
それにチビでデブで汗っかきで季節を問わず脇にはいつも汗ジミが出来ている。
外見も痛いが中身はもっと痛い。
コミュニケーション能力が極めて低く、自分から話を切り出す事は一切無い。
だから常に私から話し始めなくちゃならないわけだが、いくら接客業とは言え、会話のキャッチボールが出来ずこちらからひたすら投げ続けなくてはならないからかなりの苦痛だ。
一ヶ月に一度会うならなんとか話が持つが、一年半も毎日来られるとさすがに話す事は底をついていた。
そのくせコイツはメールでは強く出てくる。
「咲ちゃんを抱きたい。独り占めしたい。愛している」と。
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