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4章:薄い薄い殻 (8/8)



二年前、私は確かに聞いた。私と言う名の薄い脆い殻を破って、新しい私に生まれ変わった音を。

それなのに今の私は、彼がいないというだけで動揺し、彼がいないというだけでどうしようもない不安に駆られ、彼がいないというだけで生きていけないと嘆いている。

私は一体誰なんだろう。生まれたのは、死んだのは、何処の私なんだろう。答えてよ、ねぇ応えてよ、私は誰?私はちゃんと私?ねぇ教えてよ……

風呂場の熱気と嗚咽が混ざって、私は更に混乱する。
全身をあの頃の薄い殻が覆うような感覚に陥った瞬間、聞き覚えのある音と共に、彼にはもう二度と会えないような気がした。
そんな気がした。



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ワンルーム ©著者:立花 優

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