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2章:弾ける泡
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葵を指名して二年経つ今も私達の関係は変わらない。ただの友営ホストとただの痛い客。言ってしまえば、同伴やアフターや店外もないし、当たり前のように枕もない。
一歩店を出てしまえば、私はそこら辺に溢れかえってる人ゴミの中の一つでしかなくて、それは葵も同じ。まだ街ですれ違った事はないけれど、そんな機会があったとしたなら、私は葵を、葵は私を、道端に捨てられた吸い殻や噛んだ後のガムのように、何事もなかったように通り過ぎるだろう。
この先も二人が一定の距離を保っていく限り、私は葵に会いに行き、酔っ払い、愚痴を言い、止められて、怒る。それに乗っかり、葵はテレビ俳優さながらの演技であの三つの台詞を吐く。
綺麗に弾ける泡の寿命なんてたかがしれている。それを知りながら。
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ワンルーム ©著者:立花 優
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