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3章:鳴らない歌
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何がどうなったか、どうしてこんな事で激怒しているのか、振り向いて、近寄って確かめたかった。
だけど硬直した身体が言うことを利いてくれなくて、それはまるでソファにぴったりと糊付けにされているようで、私は下を向いてただただ泣き続けた。私に危害が加わらない事を、早く彼の怒りが収まる事を祈って。
そんな事を思い出したら寝れなくなった。おまけに暖房を消したせいで手足が冷たくなっていく。だけどエアコンを再びつける気には到底なれず、薄い毛布にくるまって寒さに耐えた。
毛布からほんのり香る彼の匂いが今私を唯一暖めてくれる、そんな気分に浸りながら。
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ワンルーム ©著者:立花 優
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