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3章:鳴らない歌
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チクチクチクチク、耳障りな音と共に時が進む。深夜三時。今日も彼はまだ帰って来ない。
いい加減こんな生活は嫌、と無意識に半泣きになるものの、もしかしたら酔って潰れてるのかも、と意識的に考えるよう努力した。
私がサヨナラを言ってしまったら、彼は引き止めてはくれない。だって彼は私を愛しているわけではないし、愛したいとも思ってないし、愛そうと努力してるわけでもない。
だったら何故私を縛る?私をどうしたいの?このまま客に育てあげるつもり?
それはそれで良いのかもしれない、という感情と、自分の事を歩く札束だ、と見る彼の目が、交互にちらつき消えずにいた。
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ワンルーム ©著者:立花 優
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