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10章:初恋
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眞季や兄の目が、怖くて見れないと思ったときとは違う感覚で、彼の目が見れなかった。
「綾香、この人ね、真鍋先輩。あたしのお兄ちゃんの友達なんだけどさ、初めて綾香見たときから紹介してくれってうるさくて」
「やめろって!」
二人は仲良そうにしていた。
紹介してくれって…?
「マネージャーやらない?ってのは口実でぇ、先輩と仲良くしてくれない?ってのが本音なんだけど」
友達の言葉に、どう答えていいかわからず、黙っていると、先輩が言った。
「ごめん、急に…びっくりするよな…。あ、そうだ!俺のアド教えとくからさ、気が向いたらメールしてよ」
その日の夜、私は悩んでいた。
今まで、悩むことはたくさんあったけど、こんな気持ちで悩むのは初めてだった。
友達の話によると、先輩はモテるらしい。
成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗。
絵に描いたような人だ、と言っていた。
でも、決して軽いわけではなく、一途な人だから友達にだけでもなって欲しい、と。
軽い女だと思われたくない。
けど、嫌がってるとも思われたくない。
私は迷った挙げ句、メールを送ってみた。
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壊れゆく躯 ©著者:柊斗
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