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10章:初恋 (5/5)


先輩は、今まで私が関わってきた男たちと全然違った。
まるで別の世界の人みたいで、会話も新鮮で、すごく楽しかった。


それに映画や、音楽の趣味も気が合う。
友達と過ごす時間とは違う、今まで味わったことのない心地良い時間に、私は夢中になっていた。





そして暫くして、先輩に「付き合って欲しい」と言われ、私は迷うことなく、承諾した。



その日から、私は自分でもわかる程、変わった。
普段、友達と入る店だって、いつもと違う店に見える。
今まで気にしていなかった携帯も、肌身はなさず持つようになった。



そして眞季のことが、今まで以上に気になり出した。
いつも眞季の視線を感じる。
気のせいだ、と自分に言い聞かせてみたけど、前より酷くなっている気がした。



その証拠に、昨日の夜だって外から私の部屋を、覗く人影を見た。


昨日が初めてじゃない。
ここの所、ずっと見られている。
そんなことするのは、眞季しか考えられない。





先輩と出会って、眞季も変わったの?





そうなら、早くなんとかしなきゃいけない。
先輩以外の男性(ひと)と、関わりたくない。


今までのこと全部、眞季に話して謝って終わらせよう。









明日、眞季と話そう。








そう思って、眞季にメールをしようとした瞬間、私の携帯が一通のメールを受信した。
















どうしても話さなきゃいけない話があるんだ。
一人じゃ解決できない。













眞季からだった。
丁度いいタイミングだと思い、私は、













私も話があるから
明日学校終わったら
眞季ん家行く

















そう返信した。
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壊れゆく躯 ©著者:柊斗

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