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10章:執事=専属。
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10章:執事=専属。
トントン…
「失礼致します。」
「ん……朝か…」
「おはようございます。」
「まだ6時前でございます。」
「ん?」
起きる時間は7時。
寝起きの私の頭は
働かない。
「お嬢様。落ち着いて
お聞きになって下さい。」
この時
よい出来事ではないと
雰囲気でわかった。
「先日、
書道展でお会いした
古賀嵜様ですが、
今朝、他界されたそうです…。」
「え…」
理解不能だった
というより
理解するのを
脳が拒んだ。
「嘘…」
古賀嵜とは
じぃやのことだ。
じぃや…
なんで…
「なんで…?」
「ガンだったそうです。」
「ガン?」
そんなこと
聞いたことない。
なんでなの…
なんでよ…
「じぃや…」
私は泣いた。
大泣きした。
思い浮かぶのは
じぃやの優しい笑顔。
なんで…
なんでよ…
じぃや…
言葉にできない。
やだよ…
涙が止まらない。
大日向はタオルと
ティッシュを
私に持ってきて
私を抱きしめた。
私は大日向の胸で
泣き続けた…。
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