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5章:夢 (1/2)

5章:夢

夢の中の私は小学生だった。多分、5年生だと思う。
遠足で箱根に来ているのだろう。

大涌谷の温泉玉子を買うために、細い坂道を登っていた。所々、硫黄の煙りが渦を巻ながら立ち込めている。あぁ臭いなぁ…


友達は遥か向こうにある石段を、元気に登っているにちがいない。

たくさんの赤や黄色や、青や緑色の鮮やかな色の服を着た小学生の集団が見える。


あっ…早くみんなの所に追いつかなくちゃ!!…

急ぎたいのに上手く歩けない。

私はひとり遅れを取っていて焦っていた。

頭上を小さな金網で出来た籠のロープウェイのゴンドラがゆっくりかすめた。中には真っ黒な温泉玉子が入っているのか、うっすら湯気が立ち上っていた。

売店の裏口に向かってカタコトと音を立てて、滑るように空中を移動していた。

すると、前から二人連れの大人のカップルが歩いて来た。

よく見えないけど、あれ?お母さんかな?と私は目をしばたいた。いつまでもボンヤリしていて
上手く焦点が合わない。
可笑しいなぁ…


近づいてよく見ると、その人はお母さんではなかった。よく似ているけど、確かに別人だ。それに母よりずっと若いし…。


私が多分、驚いた顔をしていたせいなのだろう、その綺麗な女の人も、あれ?何かしら?という表情を浮かべていて、私たちはまじまじと見つめ合いながらすれ違ってしまった。。

すれ違い様、ほんのりいい匂いがした。


男の人は見たことがない人だったけど、暗い表情をしていて、私には目もくれず、うなだれていた。


それはあまりにも、こんな楽しげな行楽地には不釣り合いな表情だった…。


私は思わず、振り返り立ち止まってしまった。


女のひとも、チラリ、チラリとこちらを振り返りながら坂道を下っていってしまった。


私は口ごもりながらも何か言おうとしたけど、言葉が見つからなかった…。

待ってぇ〜…。

聞こえるはずもない、ため息のようなつぶやきだけが取り残された。


私はほとんど泣きそうになっていた。

どうしてかは分からない。

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セキララ ©著者:吾が肺は2個

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