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26章:不幸を閉じ込める鍵
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26章:不幸を閉じ込める鍵
その店はちょっど旧軽銀座のメインストリートと北軽井沢へ伸びる道が合流する辺りにあった。
龍一は軽井沢は二度目で、前に新任主査研修のとき、最終日に訪れ、腰を抜かすほど旨い信州そばに出会い、どうしても私に食べさせたかったらしい。
龍一が一度で店の位置を覚えていたのは奇跡と言ってよい。
大体、誕生日とか、何かの記念日とか、出会った日付とかも覚えてないタイプの男性だからだ。
最初は不誠実な人なのか?
と悩んだりもした。
例によって、いつものように秋生に相談したことがある。
「蛍、男の人生は勝負、勝負の連続なんだ」
いついつまでに資料を提出しなければならない。
契約を取らなくちゃならない。
或いは期日までに工事を竣工しなければならない。
交渉ごとも一筋縄ではいかない。場合によっては綺麗ごとばかり言ってるわけにも行かない。
そういう修羅場の連続の毎日を送る男が、いちいち前の失敗をウジウジ蒸し返して思い出したり、覚えていたら、
次の勝負に勝てない。
また、過去の栄光をいつまでも手に取り、喜び、しみじみ眺めて自己満足に浸り、ニヤニヤしてばかりいたら、前に進めない。
勝利の祝杯は一晩で終わらせて次の勝負の準備をする。
そういう大人の男にしか本当に女房子供を守り、幸せにすることは出来ないんだ。
だからいいか?蛍。
強い男は忘れる天才なんだ。
力ある男は忘れる男だ。
これはよく覚えておきなさい。
そう教えてくれた。
人生経験豊かで、皆に信頼され、心から慕う人が多い、苦労人の秋生の口からそんな言葉を聞くと、
その意味はなおのこと、一層深みを増した。
最初、この言葉を聞いたとき、私は衝撃を受けた。
音のない雷に打たれ背骨に電流が走った。
たった一言で、それまでのちっぽけでわがままで自分のことしか考えてない私を粉砕してくれた。
続けて秋生は言う。
誕生日や結婚記念日だったら、その日まで黙ってないで、ひと月前から計画して、ほしいものをリクエストしておくのも一つの知恵だよ。
当日まで黙っておいて、覚えているか?試してどうする(笑)
悲しい思いをわざわざすることもないだろうと笑う。
まったくそのとおりだった。
私は不幸を閉じ込める鍵を貰った気がした。
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セキララ ©著者:吾が肺は2個
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