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24章:蒼の杜 (1/1)

24章:蒼の杜

荷物を一旦、宿泊先のペンションに預けに行った。

ペンションとは名ばかりで、昔、どこかの会社の保養所みたいな建物だった。

ちょうど、あの浅間山荘事件があったカワイ楽器の保養所みたいなおもむきがある。

昔、1972年2月に連合赤軍が起こした事件の現場も近い。

車で行ったら30分くらいで行ける場所だ。

ほんの37年前。
今は嘘のようにひっそりしている。
まるでそんな事件なんてなかったように。


何故こんな、シケた宿にしたのか?蛍は不思議に思って龍一に聞いてみた。

龍一「ここはね昔、軽井沢音楽祭があったとき、秋生さんや蛍の父さんや母さんが使った宿なんだよ」

そう返って来た。


龍一は秋生の会社の後輩だった。
NTT東日本だ。


1978年と1980年の夏に軽井沢プリンスホテルで行われたさだまさしのコンサートのとき、両親が泊まった宿なんだ。

そう思うと急に心は色めき立った。

もし、1980年もなら私は母のお腹の中にいて、ここに来るのは二度目ということになる。

なかなか粋な龍一の洒落た演出だった。


蛍「へーそうなんだ…」
「じゃあ、もしかして昔ここは電電公社の保養所だったの?」

龍一「そう、そのとおり、ご名答」

「実はここはもう、とうとう今年限りで閉館になるんだ」

「だから今年来なかったらもう二度と泊まれない」

そう言うと、またしたり顔で微笑んだ。

なるほど、つまりは秋生の演出なんだな?ということがだんだん分かって来た。


蛍「ねぇ、龍ちゃん」

「1980年もここに来たのかな?」

「そしたら私はそのとき母さんのお腹の中にいたから、ここに来るのは二回目になるんだけど…」

龍一「うん、秋生さんから聞いた話ではどうやらそうらしいよ」


蛍「やっぱりそうなんだ!」

「何か不思議な気持ちになる…」


そんな話をし終えて私たちはペンションに置いてある自転車を借りて街へ繰り出した。


勿論無料である。
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セキララ ©著者:吾が肺は2個

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