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23章:どんな顔をして
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23章:どんな顔をして
多分、私の顔は無言でこう言ってたのだろう…。
「え?親子?」
「えーと、恋人じゃなくて?」
「えーーっ!嘘!ホントに?」
「えー!馴染みのお客さんとキャストじゃないの?」
「う、嘘おーん…」
とこんな感じ。
思わず、龍ちゃんとあの二人連れを交互に見比べてしまった。
そう言われて見れば鼻の形がよく似ているかも知れない。
そう言われて見れば、老紳士の態度は女の子になってしまった息子と和解したばかりの父親の態度かも知れない。
そこには他人には計り知れないドラマチックな家族騒動があったのかも知れない。
私「ねぇ…どうして分かったの?」
龍一「だってあの子、父さんて言ってたよ。パパじゃなくて」
「普通、お客さんに父さんとは言わないだろう」
そう言って龍一にんまり笑った。
なるほど。
龍一はこの頃何となく秋生に似て来たなぁと蛍は思うのだった。
龍一「しかし、蛍は表情が豊かで一緒にいると飽きないよ」
「やっぱ癒やされるなぁ…」
そうつぶやいてニコニコしていた。
どんな顔をしていいか分からなかったけど、とりあえず幸せだった。
でもしっかりチェックしてるよ、龍ちゃん。
服買いすぎ。誤魔化してるでしょ!!
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