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22章:プリティーウーマン (1/1)

22章:プリティーウーマン

アウトレットモールのEASTへ移動しても謎の二人連れを時々見かけた。

こっちは本格的なブティックが立ち並ぶゴージャスな雰囲気があるショッピングモールだから余計に目立つ。


まるで映画、「プリティーウーマン」のリチャード・ギアとジュリア・ロバーツのようだ。


もっとも、良く見ればリチャード・ギアというより小泉総理ほうが近いかな。

でも、どこかの大学教授か恐ろしく料金の高い、美容整形外科のドクターのような洗練された物腰がある。


彼女のほうも決して下品ではなく、安い笑いを取りに行くタイプのニューハーフではない。


銀座のクラブに特別にお勤めでもしていそうな雰囲気もある。

さながら声が太い竹内結子か松嶋菜々子みたいだ。

綺麗であることは間違いない。

彼女が笑うと長いまつげは優しく伏せられて、口元からは白い八重歯が輝いた。

思わず、出来立ての氷山でさえ気を許して溶けてしまいそうな笑顔だ。

冷凍庫に半年も忘れられ放置されカチカチになったバニラアイスだって一瞬にして溶けるかも知れない。

チャーミングで。
フレンドリーで。

私にもあんな笑顔が出来たらいいのにとつい憧れてしまう。


フルーツパーラーでたくさんの買い物袋を脇に置いて、向かい合ってお茶を飲んでいる二人の姿を見かけたとき、龍ちゃんが、

「とりあえず買い物はこんなもんだな‥」

「美味しい信州そばを食べに行こう!旧軽井沢に良い店があるんだ」と言った。

ふと見ると、龍ちゃんもかなり服を買い込んでいた。

私はショーパン一枚、チュニック一着、朝の寒いバイキングのときに羽織るためのカーディガン一枚だけだった。


龍一「それともあの親子にダブルデートの申し込みでもするかい?」

龍ちゃんはいつもの笑顔でそう言った。

私「……」
声もない私。

息を呑んだ。
驚いた。


龍一は私の驚いた顔をじっくり観察しながら、更に笑顔の比率を高めて微笑んでいた。

その龍一の笑顔のグラデーションの変化を、私も不思議な感覚で観察していたのだった。
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セキララ ©著者:吾が肺は2個

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