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19章:第ニ章 軽井沢 (1/1)

19章:第ニ章 軽井沢

龍ちゃん ごめんね。

私はそう言ったまま、手を口にあてて、ポロポロ涙をこぼしてしまった。

公衆の面前だというのに不覚にも泣いてしまった。

知らない人がみたら、男が女を泣かせたみたいに見えたかも知れない。
ヤバい…。

久しぶりに休暇を合わせて旅行したのは軽井沢。

晴れ晴れとした春の日差しに照らされて、浅間山は真っ青にその雄大な姿を見せていた。

所々に雪がまだ残っていて、キラキラ輝いていた。

ゴールデンウイークの前の軽井沢駅前は人影まばらで、わずかばかりの観光客と地元の人しかいなかった。

誰も彼もが穏やかな表情をしている。

駅に降り立って、改札を抜けたらあたり一面が大自然。

ぐるりと見回しても高いビルなんか一つもない。
ひんやりとした空気がブラウスの中を通り抜けて、フワッと膨らんだ。


すがすがしい気持ちが込み上げてきたときのことである。


嬉しかった…。
旅行なんて一年ぶりだった。

思わず私は泣き出してしまったのだった。


龍一は昨日遅くまで残業していたから疲れていた。

東京駅から「あさま」に乗り席に着いた途端から寝ていた。

蛍に揺り起こされて眠い目をこすりながらぼーっと歩いていたが、目の前に広がる景色に心洗われる思いがした。
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セキララ ©著者:吾が肺は2個

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