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34章:このペンションに来た意味 (1/1)

34章:このペンションに来た意味

涙と鼻水とよだれとお茶の湯気でぐちゃぐちゃになった顔も、

優しい風に吹かれて乾いてきたから、部屋へ戻ってみた。

テーブルには、

「下の談話室にいるよ
気分が落ち着いたら降りておいで」

というメモが置いてあった。
こういうちょっとした短い手紙、龍ちゃんは本当に上手いし優しい。


そして、だんだん分かって来た。
このペンションに来た意味を。

私が胎児で、実のお母さんのお腹にいたときに、この宿へ両親たちはこの部屋に泊まった。

もう一度、気持ちに区切りをつけなさい。多分、そんな意味なんだ。私はそう受け止めた。


この部屋で、かつて語らった人々の白い影を思い浮かべて、耳を澄ませば聞こえてくるような気がする。


私は一旦顔を洗って、タオルで拭いて、もう一度、お茶を入れ直した。


そしてふうっと、自分の心の声に耳を澄ませてみた。
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セキララ ©著者:吾が肺は2個

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