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17章:懐かしい家
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17章:懐かしい家
その家は門を除いて、ほぼ昔のままだった。
表札を見ると「五十嵐」となっていた。
私が子供の頃は、外門は木製の古い木戸になっていて、鍵も古めかしいカンヌキ式の、横にスライドさせるタイプのものだった。
今は立派なコンクリート作りになっていて、カメラ付きインターホンまである。
それでも懐かしさはひとしおで、さっき、川沿いの道を歩きながら、もうドキドキしていた。
説明出来ない不思議な気持ちをもてあそびながら歩いた。
それでも何処からか、焚き火の匂いがして来たときは切ない気持ちで胸がいっぱいになった。
よく庭で落ち葉を集めて焚き火をしながら焼き芋を作ったからだ。
今でもあの焦げ臭い匂いを嗅ぐと鼻の奥がツンとして懐かしい気持ちになる。
そして、あぁ、もう冬になるんだなぁと感慨深く季節を知ることになる。
すすきがたくさん生い茂るサイクリングロード。キラキラ揺らめく川面の光。せせらぎの音。
今でも変わらずあの日のままだったことが無性に嬉しかった。
そこは夕方になると秋の虫たちが一斉に鳴き出して、さながらオーケストラの練習風景になる場所。
薄い色にほのかに、まるで空自身が微笑みを浮かべたような三日月を見上げたのは五年生の秋。
父と過ごした最後の秋。
よみうりランドへ行った帰り道に、疲れて駄々をこねて父の背中に背負ってもらった。
眠気のせいで涙で濡れたまつ毛で、ぼんやりと眺めた大きな橋。
綺麗に連なった車のライトの点滅を今でも不思議に覚えている。
あんなに幸せだったことってなかったなぁ…。そう思いながら川沿いの道を歩いた。
大きな背中。
温かい背中。
安心仕切って眠ってしまったあの頃の自分に帰りたかった。
あの頃の父と母と姉と、そして無邪気だったみんなに会いたかった。
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セキララ ©著者:吾が肺は2個
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