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16章:マリッジブルー (1/3)

16章:マリッジブルー

小高い丘を抜けると空が一気に開けた。

艶やかな大きな葉を茂らせたポプラ並木の坂道は壮観だった。

段々に居並ぶ分譲団地はさながらモノリスの群れのようだ。

舗道には沢山落ち葉を敷き詰めたように散乱していて、ムートンブーツで踏み歩くと、乾いたクシャ、クシャという音がした。

この団地の中心地にある商店街の脇に人口池がある。


兼ねて用意して来た食パン四枚を水鳥たちにあげよう。

湖畔に突き出た半円形の広場にベンチがある。

そこでしばらく手すりにもたれ湖面を眺めていると、早速、目ざとい鯉や亀が集まって来た。

鯉は丸い口を水面に突き出して、パクパクさせて無邪気な瞳でこちらを見上げている。可愛いね。

ここには渡りを忘れてしまったつがいの真鴨、二羽と、この時期になるとやって来るおしどり数羽と鴨がいる。

その子たちにパンをちぎって投げ与えていると、ニャーニャー鳴きながらねこチャンがどこからともなく表れる。いつもなら…。

普段はもっと早い時間に来ているんだけど、今日は来るかな?

しばらく辺りを見回し、ちょっと休憩。

ベンチに腰かけて、「あったかい」に変わったばかりの自動販売機で買った缶コーヒーを飲む。

両方の掌で缶をつつんで、しばし暖を取る。

天気はいいけど気温は低かった。

こんなことなら手袋をしてくれば良かったなと後悔したけど、昼頃になれば暑くなるかも?と思い直した。

こういうのってやっぱりマリッジブルーの一種なんだろうなあ…とぼんやり考えていた。

あの日、作文を読まなかったらこんな行動はしてなかったよな…と。
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セキララ ©著者:吾が肺は2個

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