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13章:街並みの男の特長 (1/1)

13章:街並みの男の特長

男には潜在的にコレクション願望がある。

いわゆるハーレム願望だ。自分の彼女や奥さんにコスプレさせるのも、別な女と錯覚したい潜在的願望の成せる技だと言う。

よく言う、女は上書き保存。男はフォルダー保存という奴だ。

男の人が新しい彼女が出来ても、結婚しても、別れた恋人の写真や思い出の品を後生大事に隠し持っているのも、

この一重にコレクション願望のせいだと言う。


別れても過去の女すべてに所有感を抱き続けるのが男だそうだ。


だから、酔っ払った勢いで、別れた女に電話なんか無神経に出来てしまう。

所有感があるから、付き合っていた当時のようにいつまでも優しくして貰えると勘違いしている。

困った生き物だねと笑う。

「じゃ、あれもそう?」
「なんのこと?」


飲みに行くとあっちの店こっちの店と、馴染みのスナックをたくさん作って、しばらく顔を出さないと、嗚呼、そろそろ行かないと怒られちゃうなぁ…、っていう奴。(笑)


「はははっ。蛍は飲み込みが早いな(笑)」

「そう言われるとあれもそうだね。マーキングして歩くオス犬みたいなもんだね」


「別に街も電柱もスナックのママも自分ひとりの所有物でもないのにね」
「…」

そう言えば昔、龍チャンの部屋に行ったとき、クローゼットを何気なく開けたら、奥の方に箱があって、悪いと思ったけど、どうせエッチなビデオかなんかだろうと思って中を覗いてしまったことがある。


中にはいかがわしいものは何もなくて、代わりに歴代の彼女との大切な写真や、手紙や思い出の品であろう様々な物が保管されていた。


私は驚いたのと同時に悲しくなったけど、詳しく検分することだけはしなかった。
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セキララ ©著者:吾が肺は2個

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