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10章:朝のひととき (1/1)

10章:朝のひととき

今、私のかたわらには、年老いて起き抜けの真っ白な顔をした母がいる。

私はひとりで大きくなったような顔をして、二人分の朝食と、婚約者のお弁当を手際よく作ってる。

みんな母から教えてもらった技だ。


玉子焼きには、ほんの少しマヨネーズを混ぜて溶いてから焼くとふっくらするとか、


ネギトロのトロの部分を梅肉に変えて、ネギをごま油でほんの少し炒めてかつお節をまぶすと、とても美味しくて上品なおばんざいになるとか…。


そんな他愛もない細かい一つ一つも、母の多大な愛の結晶だった。


「お味噌汁何にする?」
「お豆腐があるよ」

「大根の葉っぱもあるね、どっちがいい?両方入れちゃおうか(笑)」

「任せるよ」と言って母は着替えに席をたった。


夜が明けて来た。
朝の清々しい空気が光る。


いろんな鳥たちがそれぞれの歌を競うように歌い上げ飛び交う。

窓の外には珍しいハクセキレイが来ていた。

私は嬉しくて思わず脈拍が速くなる。


ピカピカの笑顔で外を眺めていたら母が戻ってきて私を見るなり、
「何?どうしたの?」

「ううん、可愛い鳥がいたから…」


「でも、大変だね…龍一さん、休日出勤かい」

「え…」



親が親なら子も子である。血は争えない…。

今日は土曜日だった…。
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セキララ ©著者:吾が肺は2個

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