9章:No.1の裏側 (3/4)

高校を卒業してすぐに夜の世界に飛び込み、実際すぐには芽が出なかったらしい。

『正直、最初の方はお客さんの作り方が分からなくて、枕をしたこともあったよ。』

彼女はとにかく負けず嫌い。
売上が少しずつできてくれば、次はナンバーに入りたい。
その次はNo.1になりたい。
その次は有名店…


毎日、365日24時間仕事のために生きてきたと言っていた。

そして

元々の美貌と人一倍の負けず嫌いの性格、日々の努力でちぃちゃんはのしあがっていった。

城月怜はこうしてできあがった。



出勤すればたくさんのお客さんが自分に会いに来てくれて、
黒服には褒め称えられる。
キャストの女の子にも怜さん怜さんと憧れと羨望の眼差しを向けてもらえる。

自分の居場所はキャバクラのNo.1でしかなく、その居心地の良さと優越感は彼女を掴んで離さない。

しかし、自分が何かの弾みでそのステージから失脚するかもしれないというプレッシャーや恐怖にちぃちゃんは日々苦しめられているのだろう。