9章:夢と現実 (2/12)

「怜…良い感じじゃーん！いいなあ」


私の肩を掴むと前後に揺らし、真由が興奮しながら言った。


「何が良い感じだって？」


後ろからバイトリーダーの佐々木さんが真由の大きな声を聞き付けて私達の元へゆっくり歩いてきた。


「いやー怜に年下の彼氏が出来るよ・か・んー！！」

「そうなの！？」


真由の言葉を聞くと、驚いた様に私の顔を直ぐに見た。


「え！？…いや、その…」


此処で公開告白出来る訳ないじゃんかー。


言葉を濁し、曖昧に答える。


「そうか、良かった。あっ、仕事サボるなよー？」


佐々木さんが立ち去るのを見ると、真由が小さな声で話した。


「何？佐々木さん怜の事好きなの？」

「ま…まさか！」

「でも今の怪しくない？」

「そう…か？てか、真由は景さんとどうなの？」

「それがさー…」


話の途中で注文やお客さんが来店した。


「続きは家帰ってからね」


手を振り、それぞれ接客へ向かった。