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8章:ご褒美
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緊張のせいか、帰り道がとても長く感じた。
今までは何とも思っていなかったのに、
広幸君の話し方や、声
笑うと、くりくりとした大きな目が垂れる所
チラッと見える八重歯
全部が心を締め付けられる程、私を苦しめた。
アパートの前に着くと、横に並んでいた広幸君が私の方に体を向けた。
「怜ちゃん、もし良かったら…これからもこうやって遊びたいんだけど」
街灯に照らされた広幸君の顔は、頬がピンク色に染まっていた。
私は、顔の赤さがバレない様に、俯きながら小さく何度も首を振った。
「良かったー」
顔を手で覆い、その場でしゃがみ込むと
「やばい、まじ嬉しい」
と、呟いていた。
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