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1章:仔犬
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「ご利用はお1人様で宜しいですか?」
「はい」
「何時間ご利用ですか?」
「フリーで。あとドリンクバー」
「かしこまりました。…では、お部屋118になります」
差し出されたデンモク、リモコン、マイク、伝票が入っている透明なケースと、ドリンクバー用のカップを手に持つと、受付近くにあるドリンクバー専用の機械からコーラをカップへと注いだ。
ドリンクバーから真っ直ぐの位置にある118と書かれている部屋へダラダラと進んでいると、篭っていた音が一気に廊下へと広がり、煩いくらいのミュージック音と、それに乗せた歌声が響き渡った。
随分うっさいなー。
異常な程の音の大きさに苛つきながら、その音の鳴る方へ目を向けると、最悪な事に隣の部屋…117だった。
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