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1章:仔犬
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「いや〜歌う曲が尽きて、曲みんなで選んでたら隣からCROWN歌ってんの聞こえて…それがめっちゃくっちゃ上手くて!あっ…俺バンド組んでて、コピーでCROWNやってんすよ!だからそれでお姉さんが出て行くの見えて…って…あ…」
私の冷めた目つきで興奮までもが冷めてしまったのか、男子高生は話すのを止めて小さな声で「すいません」と謝り、しゅんとなってしまった。
「今度…マイナーバンドが集まるライブ出るんですけど…あの…良かったら…」
顔色を伺う様に話す男子高生に
「行かない」
と、強く言い放ち受付へと足早に向かった。
「広幸(ひろゆき)振られたー!」
後ろから数人のからかう声が聞こえる。
いつから見ていたのかは知らないが、きっと、あの男子高生の仲間達だろう。
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