9章:パティシエール (2/13)

美香と南野美智子は取り敢えず食事をする事にした

生ハムの盛り合わせ、ニース風サラダ、雛鳥のグリエ、といったシンプルながら本格的な味のこの店のフレンチは美香も気に入り、さすが一流のパティシエールが選んだ店だと感心した

値段もかなり手頃だ

｢美味しいし、気取らなくて素敵なお店ですね。それに気軽に頼めるお値段のワインがこんなに沢山｣

｢ブラッスリーというかフレンチバルに近い形式かしらね。ちょっと本格的フレンチを肴に、手頃な値段のワインを美味しく飲むためのお店なの。ここは深夜まで開いているし、ひとりでも入りやすいわ｣

ルイ・ジャドのブルゴーニュ・パストゥグランという手頃なワインを美味しそうに啜り、南野が美香に笑いかけながら言う

美香も凛とした雰囲気の南野に魅力を感じていたからとても愉しい雰囲気で食事は進んだ