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7章:ヴィアンドゥ[肉料理]
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「ところで英くん、パンはいつ出てくるんだね?」
西原が不思議そうに尋ねる
確かに通常のコースではそろそろ出てもいい頃だ
「ああ、申し遅れました。うちでは希望者にしかパンはお出ししてないのです」
「パンでないとすると…」
「御飯です」
「何だと?ここはフレンチではなく、洋食屋なのか?」
西原は呆れた声を出し、さすがに健治と美香も驚く
「いいじゃありませんか。昭和の初めの頃までは西洋料理はすべて洋食屋さんで出してたんですから、クロケットもタルタルステーキもスパゲティもすべて」
「そんな事は君より私の方が知っとるさ。この年齢だからな。しかしここはフレンチの店だろう…いくら何でも米の飯を出すとは…」
「だって…」
と英は口を尖らせた
西原兵衛が、健治と美香も、初めて見る英の本当に子供っぽい表情だった
「僕は御飯の方が好きなんです!」
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アントレ・アントレ ©著者:黒蝶少年
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