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9章:悪魔の囁き (12/12)

「それと純花さんには転校とお引っ越しをお勧めします。だってあんな事があって今まで通りに生活出来ませんよね?後ろ指差されるような生活はあまりにも可哀想です。それに別れたらお兄ちゃんを見るのはつらいでしょう?」


転校はまだしも引っ越しは純花の一任では決められない。


さぁ、どうしようか。


この写真をどうにかして純花の両親に見せるようにしたほうがいいか…。


「…実は両親から引っ越しと転校の話を持ち掛けられてるの」


「賢明な判断だと思います。それが純花さんの為です」


淡々と言ったものの、心の中は小躍りをしたい気分だ。


愛娘がレイプされたのであらばその場所に居続けようとする両親などまず居ないだろう。


そう…それでいい。


「御両親に従うべきですよ」


「でもっ…!!」


突如、純花が口調を強めた。


「でもね…私、こんな身体になっても和泉君を愛してるの!彼以外考えられないの…」


力一杯そう言うと再び泣き崩れた。


嗚呼、往生際の悪い女…。


「…純花さん。人の気持ちなんて時が経てばいくらなりとも変わりますよ。お兄ちゃんの為を思うなら身を引くべきです。新天地に行けば純花さんだってまた考えが変わるかもしれないじゃないですか」


立ち上がりテーブルの写真立てを手に取る。


お兄ちゃんと純花の幸せそうな写真。


…もう必要ないわね?


「この頃と今はもう違うんですよ。純花さんがどんなに望んでもこの頃には戻れません…きゃっ!」


手が滑ったふりをして写真立てを離した。


硝子が割れるけたたましい音が室内に響き、写真立ては派手に散乱した。


「ごめんなさい!私ったら何て事を…!!」


割れた硝子を広い集めようとすると純花に制された。


「…いいの。そうよね…好きならば和泉君の邪魔になっちゃいけないわよね」


純花は泣き腫らした瞳で弱々しく微笑んだ。


もうこの辺でいいだろう。


「…純花さん、これ以上私は何も言えないです。どうか賢明な判断を」


会釈をして部屋をあとにした。



そして数日後、純花はこの街から姿を消した。


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茨の海 ©著者:ゆえ

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