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1章:12月6日 (1/1)

1章:12月6日

わたしは、いつものように
新宿の歌舞伎町にいた。


いつものように、職安通りにある仕事先に行った帰り道。



しかし、いつもと違って

いつもはコマ劇に出て右側に行くのに
その日は左側へ行ってしまった。


「……あれ?」


いつもと周りの様子が違う?


声をかけてくる人に新宿への行き先を聞こうにも
初回がどうのと自分の話をするばっかりで、こっちの話を聞いてくれない。


そんな中で、また声をかけられた。


いや、彼の場合は、真正面から
自分から近づいてしまった。

「初回、どうですか?」



彼は、なんだかキラキラしてた。

オーラというのが存在するのか?
彼の後ろから眩しいカクテル光線が放たれていた。


新宿駅に行って、電車に乗って帰らなくちゃいけないことを忘れた。




「…ぇ?初回?なに?」

「え?ホスクラとかはじめて?」

「うん、行く機会なかったし、怖いし」

「えっと…二時間飲み放題なんだけど」
「飲むのは好き!あ、でもタバコがない」

「え?あ、コンビニに売ってるかな」
「売ってると思うよ」


彼は、非喫煙者だった。

最初のコンビニには売っていなくて、二件目のコンビニに売っていた。


そして、タテハナビルへ戻った。
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色糸 ©著者:高田庵

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