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11章:追憶
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気がつくと僕は団地に居た。
目の前には懐かしい風景が広がっている。
これは…僕の部屋?
リビングに僕が居た。
これは9年前の僕?
大声をあげて泣き喚いている。
ああ、玲奈が居なくなった頃か…
玲奈が居なくなった現実を受け止められずに泣き喚いている。
『本当ニソウナノ?』
突如、男とも女とも判別出来ない声が頭に響き、辺りを見渡した。
…何だ?
『違ウデショ?』
違うって何が?
「……っ」
また…頭痛。
前回とは比べ物にならないくらいの強烈な頭痛に襲われ、思わず膝をついた。
ふと前を見ると幼い僕が泣きながらこちらを見ている。
その表情は尋常ではなかった。
何なんだ。
これは一体…
『……!!』
幼い僕は必死に何かを伝えようとしている。
何?
聞こえないんだ。
襲いくる頭痛に限界を迎え、僕はその場で意識を失った。
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