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10章:慟哭
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「繭は僕の彼女だろ?急にどうしたの?」
僕も同じくベッドに座った。
僕には繭が言いたい事がよくわからなかった。
最近会う時間が少なくなってきてた上にエッチを拒んだからだろうか。
あのままエッチしたほうが良かったのだろうか。
途方に暮れた。
するとしばらくだんまりを続けていた繭がようやく口を開いた。
「いち君…最近、全然会ってくれなくて他に好きな人が出来たんじゃないかって不安だったの。小百合さんにも相談しちゃった。ごめんなさい」
「うん。小百合さんから聞いて知ってたよ。僕のほうこそ不安にさせてごめん。でも繭が思ってるような…」
「マユはあくまでも玲奈さんの代わり…だからどう頑張っても玲奈さんが相手だったら勝てるわけないよね」
瞬間、僕は頭が真っ白になった。
何故繭が今更玲奈の話を?
小百合さんが何か喋ったのか?
…ありえない。
あの人の性格だとそんな事するはずない。
じゃあ何故?
繭は察したかのように立ち上がるとスケッチブックを手にした。
「これ、マユじゃないよね?」
悲しく微笑みながらスケッチブックに描かれた玲奈を見せた。
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