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6章:再会
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「小百合さんは元気にしているの?」
「ああ、元気だよ」
「いちは恋人は出来た?」
「ああ」
「そう…良かった」
何が良かっただよ。
人の気も知らないで勝手に消えて勝手に現れて…
「いつまでも姉貴ぶるのやめてくれないか?迷惑だよ」
「そうね…そうよね。もうあの頃と違うんだもんね」
どうしようもない苛立ちのやり場に困っているとタイミングよく“夕焼け小焼け”が辺りに鳴り響いた。
「…もう帰ったほうがいいわ」
「そうだな」
背中を向け立ち去ろうとしたが、玲奈に呼び止められ足を止めた。
「いち、ラベンダーの花言葉…覚えていてくれてありがとう」
「…記憶力は良い方だから。あんたはいつもここに居るのか?」
「…そうね。私はこの裏庭が好きだから」
僕は再び歩き出し、団地をあとにした。
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鏡花水月 ©著者:ゆえ
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