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7章:葛藤
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団地への道程を昨日の記憶を頼りに歩く。
団地が見えてくるとラベンダーの匂いが風に運ばれて鼻先をかすめた。
案の定、玲奈は裏庭に居た。
「いち、また会えたね」
昨日あんなに悪態を吐いたにも関わらず、何事もなかったかのように接してくる玲奈にまた苛立った。
「学校はもう終わったの?」
「ああ。それは?」
玲奈の手元に目をやった。
数本の萎れたラベンダーが握られていた。
「これ?もう枯れかけてるから。放っておくと他のラベンダーの養分も吸っちゃうの。だから…」
「だからむしったのか」
玲奈は僕を見ると小さく笑った。
「何だか言葉に棘があるわね。それにしてもこんな時間に会えるなんて部活には所属してないの?」
「自分の事は何一つ答えないくせに僕の事は当たり前のように聞くんだな」
「…また気に障る事を言ってしまったみたいね。」
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