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3章:別れ
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僕は玲奈の家のチャイムを何度も鳴らし、ドアを叩いた。
玲奈…嘘だよね?
すぐにドアを開けて“いち、どうしたの?”って微笑んでくれるよね?
「…いち、そこにレイちゃんは居ないのよ」
小百合さんは俯きながら呟いた。
「嘘だっ!」
僕は管理人室に向かい走った。
「おじちゃん!玲奈の部屋を開けてっ!」
「…相沢さんならもう引っ越したよ」
初老の人が良さそうな管理人さんはそれでも僕が何度も言い続けると、いよいよ根負けした様子で鍵を手にして玲奈の部屋の鍵を開けてくれた。
中にはきっと玲奈が居てくれる。
そう思いながら部屋に入ると、そこはもぬけの殻だった。
「…だから言ったでしょ?レイちゃんは引っ越したの」
後ろから小百合さんの声が聞こえた。
僕は部屋の真ん中まで行くと膝をつき、大声を上げて泣き崩れた。
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