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4章:9年後
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「用務員さん、遅いですよ。早く交換して下さい」
「イヤイヤ…こっちも何たってやる事がいっぱいでね……ん?」
オジサンがそう言いながら部長に近づいた弾みに僕と目が合ってしまった。
しまった…
「おぉ!いちじゃねーか!こんなところで何やってんだ?」
「…見ての通りです」
オジサンは部長を押し退けると僕の間近まで迫ってきた。
「お前さん、美術部だったんだな〜」
感心しながら僕の絵を覗き込もうとした瞬間、とうとう部長が痺れを切らせた。
「用務員さんっ!早く蛍光灯を交換して下さいっ!!」
「ん〜?あんれまぁっ!こいつぁ見事な落書きだ!“ペカソ”みてぇだ!」
オジサンは一際大きな声でそう言うと今度は部長の絵を覗き込んだ。
オジサン…
それを言うならピカソだよ。
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鏡花水月 ©著者:ゆえ
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