堤社長と会った次の日、ゆかりはニート２日目ながらも既に仕事の事ばかり考えていた。



マリアで目覚めた自分の本性を目を背けずに頭と心できちんと考えた。



野心。欲望。優越感。



なぜ自分はそれらを抑えこんでしまうのか？



堤社長の言ったようにそう言う物を持つ事は決して悪い事ではない。



では何故自分はそんな自分を恐れたのか？



あの視線のせいだ。


あの視線に気付く事がなければ自分はそのままあっち側を進んでいた。



でもあの視線に見つめられた時、そう言った感情を持つ事がとても卑しいように感じた。



すべてはあの視線だ。