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16章:ケガと進路
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事実なんて本人には絶対に言えなかったし周りのみんなも知らなかったから私は誰にも話さなかった。
毎日入れ替わり立ち替わりでおばちゃん達がお見舞いに来てくれてて、テント集落からは代表してシゲやんと牧さんが来てくれた。
なんとシゲやんと牧さんはテント集落でカンパしてくれていて
「シュウ、この金全然足らへんけど入院費の足しにしてくれ!こんだけですまんな…。」
と渡してくれた。
こんだけどころか金額は4万円以上ありシュウ君は
「俺がヘマしたのに貰えるわけないやんけ…この金はおっちゃん達の金や!いらんいらん!来てくれただけで充分や!」
って何度も断っていたがシゲやんも牧さんも譲らなくて結局有り難く頂いた。
入院費はいくらくらいになるのか全然わからなかったが、少なくとも私の1ヶ月のコンビニのお給料の倍以上だという事はわかっていたので宮本さんに頂いたお金を使おうか迷ったが私は働けるんだから私が働こうと覚悟を決めて夕方病院を出てまっすぐ飛田新地に向かった…。
家賃や光熱費、生活費や入院費全てを考えても私の全財産の
(宮本さんに頂いたお金は別です。)
8万円では到底足りないってわかっていた。
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大阪府西成区で過ごした28年。 ©著者:オコジョ
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