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14章:凍死ゼロパトロールに出発!
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おっちゃんはみんなと仲良くなりたい、早く溶け込みたいと毎日頑張っていた。
牧さんが話し掛けてくれた次の日に会った時は嬉しくて感動だったと教えてくれた。
センターで仕事を探そうか迷っているがとんこしまくってる自分に仕事があるかなぁと相談された。
毎日会うのはほんの2時間程度だったが会う度にたくさん話してたくさん笑ってたくさん一緒に悩んだ。
いつも帰りには私の受験がうまく行くように応援してくれた。
付き合いは短かったが私の中ではシゲやん達と同じくらい大切なおっちゃんのひとりだった。
だからどうしてアカをやる前に一言やりたくてしょうがないと言ってくれなかったのかと悲しかったし、そりゃ言ったら私が怒ったからだろうけど同時に気付いてあげれなかった自分自身にも悔しかった。
私には覚醒剤やアカの依存性の高さがわからなかったのでもっと知っておけばよかった。
知る事はここに住んでいるんだからいくらでも可能だったのに…。
こうしてアカおっちゃんはいなくなった。
もう会えない事は暗黙の了解でわかっていた。
それでも私は1ヶ月半程、約束の時間になると玉出まで行った。
来ないってわかっていたけど、もし仮に西成に戻って来れたらアカおっちゃんを待ってくれてる人がいないなんて悲しすぎるから私は待った。
受験の日も終わってから向かったし、合格発表の日も卒業式の日も玉出に向かったがやはりもう二度とアカおっちゃんに会える事は無かった…。
結局、私は何ひとつアカおっちゃんに報告出来ぬまま高校生になった。
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大阪府西成区で過ごした28年。 ©著者:オコジョ
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