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10章:シュウ君の変化
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私とシュウ君との関係は、一緒におったらいいねん発言からは更に仲良くなった様に記憶しているが、一緒に寝る事もましてや手を繋ぐ事も無く進展は何も無かった。
シュウ君は16歳になっていて既に身長も170センチ以上あったので、学校では常に1番前に並んでいたチビの私はいつの間にか目線を上げながら会話する事が多くなり、お風呂上がりの裸の上半身や筋トレ中のシュウ君をコッソリとチラ見してはひとりでドキドキするというキモ過ぎる私に
「オコジョ、これ明日の遊び賃な。余ったらおっちゃんにタバコ買ったりや
9時以降は絶対ひとりでフラついたらあかんで!」
って言いながら毎日1000円づつ貰っていた。
時には
「これでおっちゃん達と飯食うて来い
」
と1万円も貰ったりして、そういう日は猛ダッシュでテント集落に行きみんなでおばちゃんとこのお好み焼き屋さんか焼鳥屋さんでたらふく食べて、そこでお土産を買いシュウ君に渡しに行っていた。
ちなみに当時の
(今もですが)
西成は物価が日本では有り得ないくらい安いので4、5人で焼鳥を食べておっちゃん達が飲みまくっても1万円で充分足りる。
この頃からシュウ君は私に対して怒る事もほとんど無くぶっきらぼうだったがいつも優しかった。
彼は私と猫、時にはおっちゃん達の為に毎日西成に立ち覚醒剤をたくさん売りさばいていた。
やってる事は犯罪だってわかっていたけれど、シュウ君のそんな姿に魅了されていた。
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大阪府西成区で過ごした28年。 ©著者:オコジョ
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