5章:足りないもの (10/10)

成瀬さんは本登録の資料を見ながら、登録後の事を詳しく教えてくれた。


「これで登録は完了です。今、ちょうど2階でアドバイザーによる講義が開かれているんです。よかったら参加してみませんか？」

「講義？」


私は言われるがまま2階の部屋へ入った。
5人の女の人が、頷いたり、時にはメモを取ったりと真剣に話を聞いていた。


アドバイザーは言った。


「自分自身に何か足りないものはありませんか？それを私達と一緒に補っていきましょう」


足りないもの…。
そんなこと考えたこともなかった。

私に足りないもの…。