6章:花嫁修業 (3/9)

そんなことを思いながら、担当の成瀬さんにもらった『キューピッド』のパンフレットをパラパラと捲った。


ある言葉が目に留まった。
“結婚予備校”


「結婚予備校？…」


私は、お菓子を摘まんでいた手を止め、パンフレットに見入った。

“結婚予備校”のカリキュラムには、家事、カラーコーディネイト、マナー、話し方等と書いてあった。


どうやら『キューピッド』と提携している講座らしく、登録している人なら通常より安く受けられるらしい。


「家事かぁ…」


私は実家住まいのせいか家事なんて、ほとんどやらない。

亮太にも、ご飯を作ってあげたことなんて数えるくらいしかなかった。


「講座…受けてみよっかなぁ……」