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4章:オセロ (30/30)

気付けばもう家の側まで来ていた

『おやすみ』

車を降りようとすると

『あっ…』

和希は思い出したように

『ホテル行くの忘れてた』

初めから行く気なんてなかったと思う

『親友に手だすの?』

車を降りて見送りながら


――…“親友”…かぁ…


心の中で呟いた

なかなか寝付けない夜を過ごして

『フラれちゃった…』

次の日になると早速ありさに電話した

『告ったの?』

『ううん…これからは親友だなって言われた』

少し間があいて躊躇うように

『…それもう無理だと思う』

だよね…ありさから言われ重みを増した

『ゆまの気持ち気付いてたんじゃない?だからそう言ったんだよ。たぶん好きにならないでって言いたかったんじゃない?』

そうかも…
確かに和希が女に“親友”宣言とかありえない気がする

そっか……

妙に納得してしまった

『でも大事に思ってる事も確かだろうね?』

ありさは続けた

『普通わざわざそんな事言わないよ。あいつなりに考えたんじゃない?』

優しい口調であたしを宥めるありさ

『ありさは和希の事よくわかるんだね…』

嫌味じゃなくて素直に羨ましかった
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春夏秋冬 ©著者:ゆま

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