【拝啓…愛する美智…】

美智…あなたが家から出たのは知っていた…

でも、お互い、何か勘違いをしている…

あの日…あなたが居なくなった朝…本当にﾋﾞｯｸﾘした…

学校に行くには早い時間だし、すごく心配したの…。
あなたを探さなかったのには、ちゃんとした理由があるのよ…

あの日の朝、私がﾋﾞｯｸﾘしてあなたを探しに出ようとした時…
お姉ちゃんに止められた…
お姉ちゃんが美智に家を出ろと言ったこと…
てっきり【ｼﾞｲﾁｬﾝ、ﾊﾞｱﾁｬﾝ】の家に行ったんだと安心した…
だから探さなかったのよ…まさか…独りだなんて…思ってもいなかったんだもの…
でも、電話をかけて調べるのが当たり前よね…？
前の日、ｼﾞｲﾁｬﾝ、ﾊﾞｱﾁｬﾝと喧嘩をして掛けずらかったのもあった…
ママの勝手な思い込みで、あなたに寂しい思いをさせて…ごめんなさい…

でも、これだけは信じてね…決してあなたを愛してないわけじゃない…子供は平等にあなたも愛してるということ…

ﾏﾏ…ﾏﾏね、今、あなたにどう接していいかわからない…
あなたが病気になってから、あなたにどう接していいかわからないのよ…

食べさせてあげたいのに…食べさせてあげられないこと…
辛いのはあなたなのに…
あなたは食べられないことに泣き続けた…

その顔を見て…心が病んだ…
今、食べさせてしまったら…あなたの体を思って…
私は心を鬼にしたの…
食べさせないことが、少しでも体に良いのなら…
でも、その気持ちのコントロールが凄く難しくて…そのうち自分で自分が解らなくなってしまった…
だから、あなたにあんな冷たい態度を…

本当にごめんなさい…

離れていても…いつも母はあなたを一番に想っています…

【ママより】

ママが私と本当に離れ離れになる前にくれた手紙です…。