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10章:自宅での食事
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10章:自宅での食事
2ヶ月振りの我が家…。
明日から学校に行ける。
美味しいご飯が食べられる。友達と遊べる。私は嬉しくて嬉しくて気持ちが高ぶった。もう病院には戻りたくない…。
部屋に居た私をママが呼ぶ。
ママ :もう少しで昼御飯にするから、インシュリン打ちなさい
当初、私が使っていた【インシュリン注射】は、小さい注射器で、瓶の中に入っている薬を単位数分きちっと正確に計り、【肩、太股、お尻、お腹(ヘソ周り)】に注入するものだった。
当時は薬が効くのに30分かかった為、食事の30分前にインシュリン注射を打っていた。
現在は、ペンシル型の注射器を使用している。自分で単位数をいちいち計らなくても、メモリ式になっており、単位が正確な為、間違いなど防げて大変便利になった。以前は食事の30分前に打っていたが、現在は【即効型】というものを使用しており、打ったらすぐに食事をしてもいい薬に変わった。
初めてママと2人きりで食事をする…ほんの少し緊張する。
ママはいつも仕事で、この時間帯に家に居るなんてほとんど無かったんだもの。
病院での食事は、まともな【おかず】が出てこなかった為、久し振りの我が家の食事にウキウキした。
やっと、美味しいものが食べられる☆
ウキウキな気持ちでテーブルへ向かい、椅子に腰掛けた。
そこには………
美智 :…………。
ママ :食べなさい
美智 :う、うん……
何これ??私は【おかず】を見てビックリした…。
病院で出された食事とよく似ている…。
※ほうれん草のオヒタシ
※オカラ
※冷奴
※カレイの煮付け
※白いご飯
病気になる前は、こんな食事出されたことが無かった…。今までの昼食は【オムライス、チャーハン、ミートソース、ラーメン】とか子供が好むようなものばかりだったのに…。
ママ :どうしたの?見つめてないでさっさと食べなさい。片付かないでしょ
美智 :うん…
ママのコンダテは間違ってないはずなのに…なぜか納得がいかない…。
美智 (こんなご飯…もう嫌だよ…私が食べたいのはこんな料理じゃない…)
箸が進まない…。
ハンバーグが食べたい…
カレーが食べたい…
シチューが食べたい…
唐揚げが食べたい…
寝る前に何度も何度も想像した…。
ハンバーグやカレーを食べている自分…。
テレビコマーシャルで、食べ物のCMが流れる度に【唾】をのみ込んだ…
こんなはずじゃなかったのに…
私の我慢はまた続かなくなるのである…
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