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4章:社長 (1/4)

4章:社長

私は集団待機が苦手でした。でもなぜかこのお店の集団待機は苦痛ではありませんでした。

眠くなったら寝て、ヒマなら漫画を読みました。

夜ご飯はお店が用意してくれて、みんなで支度をし、みんなでテーブルを囲みます。

ご飯を出してくれるお店は初めてでした。

私はその頃食が細くすぐにお腹いっぱいになりましたが、ご飯は楽しみでした。

私は女の子や社長が話すことを聞いてもあまり自分からは喋りませんでした。

人数が多ければ多いほど私は喋らなくなります。

何故かお客さんの前では平気なのですが。

どう思われてるか気になる相手か、そうでないのか、なのでしょうか。

多少女の子に対しての人見知りは激しいのかもしれません。

社長は博識でした。

風俗だけではなく普通の仕事もしているようでした。

「社長、ピル無くなったからください」

私の隣に座っていた女の子が言いました。

「1シート?」

「はい」

「え?ここで貰えるんですか?」

違う女の子が聞き、社長が答えます。

「あるよ。1シート1000円で。他にも性病治す薬とかも。

なにかあったときに対応できないような店はだめだ」

しっかりしてるんだなぁ。こんな女の子想いなお店はなかなか無いだろうな。



3日目の帰りから私は1人でホテルまで行かなければなりませんでした。

一緒にホテルに行っていたまりなさんに家ができたからです。

「帰ります〜お疲れさまでした」

お給料も貰い帰り仕度を終え、挨拶をしました。

「ひなた、送るよ」

社長でした。

「もう道わかるから大丈夫ですよぉ」

徒歩で5分もしない距離ですし、夜道は恐くありません。

「この辺夜はあんまり治安いいわけじゃないから」

そう言ってホテルまで送ってくれることになりました。

「ひなたの彼氏だったら、こんな夜中に歩かせるの心配するだろ」

「ひな、地元で繁華街のすぐ近くに住んでいて、だから夜中とか全然1人で歩くけど平気ですよ。すみません、送って貰って」

「明日ディズニー楽しんでおいで」

「はい、お休みなさい」
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青いアゲハ ©著者:ひな

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