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8章:若気の至り。
彼と付き合いだして間もなく、プライバシーのない職場に病んだ私は外に出ることが出来なくなった。何より上司たちの追及が厳しく、じわじわと追い詰められた。
原因はやはり彼とのこと。
仕事が出来ないと責められるならまだしも、プライベートに干渉し嫌がらせをされる。訳も分からないうちに人が怖くて堪らない状態になっていた。
仕事を辞めて2ヶ月、外に出られなかった私を彼はずっと支えてくれた。
そして彼は針のむしろの環境で仕事を続けた。初めこそ支えてあげようと思えたが、何で私だけが辞めるような状況になったの?!と責める気持ちが芽生えた。
私はあの仕事が大好きだった。何年も続けるつもりだったのに。
「思い出すのも嫌だから辞めて」
私は彼を追い詰めるようになった。社会復帰した後もことあるごとに取り乱した。どうして?どうして私だけ失ったの?私はあなただけを選んだのに。
彼の立場や苦労、今なら分かる。理解してあげられる。でも若い私は責め立てるしか出来なかった。
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